ダイエット注射の種類を比較|特徴・費用・注意点から選び方を解説

🕒 2026-08-14

ダイエット注射と呼ばれる治療には、GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬などがあります。薬剤によって作用の仕組みや投与方法、費用、注意点が異なるため、名称だけで比較するのはおすすめできません。この記事では、日本で肥満症治療に用いられる代表的な注射薬を中心に、特徴・費用・副作用・選び方をわかりやすく解説します。

ダイエット注射とは?

一般に「ダイエット注射」と呼ばれているものの中には、食欲や血糖値などに関係するホルモンの働きを利用する医薬品があります。

代表的なのが、

  • GLP-1受容体作動薬
  • GIP/GLP-1受容体作動薬

です。

ただし、「ダイエット注射」という名称自体は正式な薬剤名ではありません。

そのため、検討するときは広告上の名称ではなく、

「どの成分の、どの製品を使用するのか」

を確認することが大切です。


主なダイエット注射を比較

種類代表的な製品主な特徴投与
GLP-1受容体作動薬ウゴービセマグルチドを使用原則週1回
GIP/GLP-1受容体作動薬ゼップバウンドチルゼパチドを使用原則週1回
GLP-1受容体作動薬などオゼンピック等主に2型糖尿病治療用製品により異なる

ウゴービはセマグルチド、ゼップバウンドはチルゼパチドを有効成分とする肥満症治療薬です。オゼンピックやマンジャロなどは同系統の成分を使用しますが、日本では主に2型糖尿病治療薬として承認されており、肥満症治療薬であるウゴービ・ゼップバウンドとは適応症を区別する必要があります。(PMDA)


1.GLP-1受容体作動薬「ウゴービ」

ウゴービの有効成分はセマグルチドです。

GLP-1受容体に作用することで、食欲や血糖値などに関係する作用を示します。

日本では肥満症治療薬として承認されており、一定の条件を満たす患者を対象に使用されます。(PMDA)

主な特徴

  • セマグルチドを使用
  • 原則として週1回投与
  • 複数の用量規格がある
  • 肥満症を適応として承認されている

通常は低用量から開始し、患者の状態を確認しながら段階的に増量します。(PMDA)


2.GIP/GLP-1受容体作動薬「ゼップバウンド」

ゼップバウンドの有効成分はチルゼパチドです。

GLP-1だけでなく、GIPにも作用する点がウゴービとの大きな違いです。

日本では2025年に肥満症治療薬として承認されました。(PMDA)

主な特徴

  • チルゼパチドを使用
  • GIPとGLP-1の両方に作用
  • 原則として週1回投与
  • 複数の用量規格がある
  • 肥満症を適応として承認されている

ウゴービとゼップバウンドの違い

大きく整理すると、次のようになります。

比較項目ウゴービゼップバウンド
有効成分セマグルチドチルゼパチド
作用GLP-1受容体GIP・GLP-1受容体
主な適応肥満症肥満症
投与原則週1回原則週1回
用量0.25~2.4mg2.5~15mg
主な注意点消化器症状など消化器症状など

ただし、「どちらが自分に合っているか」を薬の特徴だけで判断することはできません。

健康状態、既往歴、併用薬などを踏まえて医師が判断します。


ダイエット注射の費用は?

費用は、

  • 薬剤の種類
  • 用量
  • 保険診療か自由診療か
  • 診察料
  • 検査費用
  • 医療機関の料金設定

などによって変わります。

例えば、ウゴービやゼップバウンドには公的な薬価が設定されていますが、薬価=医療機関で支払う最終的な金額ではありません。

自由診療の場合は医療機関ごとに料金設定が異なるため、広告の「1回○円」という数字だけで比較しないことが重要です。


保険診療の対象になる?

肥満症治療薬だからといって、誰でも保険診療で使用できるわけではありません。

例えばウゴービでは、一定の健康障害を有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られないことに加え、BMIなどについて定められた条件があります。(PMDA)

したがって、

「美容目的で体重を減らしたい=保険適用」

というわけではありません。

自分が対象になるかどうかは、医師による診察が必要です。


ダイエット注射の副作用

GLP-1系などの薬剤では、消化器症状が比較的よく知られています。

代表的なものには、

  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 腹痛
  • 食欲減退

などがあります。

ウゴービの臨床試験でも、悪心、下痢、嘔吐、便秘などの副作用が報告されています。(PMDA)

薬剤によっては、低血糖や膵炎などにも注意が必要です。

「注射だから安全」「副作用が少ない」と決めつけず、処方される薬剤の添付文書や医師からの説明を確認しましょう。


ダイエット注射を選ぶときのポイント

1.薬剤名を確認する

「ダイエット注射」「GLP-1注射」という名称だけで判断せず、

製品名・成分名・適応症

を確認しましょう。


2.承認されている目的を確認する

同じ成分でも製品によって承認されている効能・効果が異なる場合があります。

例えば、セマグルチドには肥満症治療薬のウゴービがある一方、オゼンピックなどは2型糖尿病治療薬として承認されています。(PMDA)


3.料金は総額で比較する

比較するときは、

薬剤費+診察料+検査費+その他の費用

を確認しましょう。

初回だけ安い料金設定になっている場合もあるため、継続した場合の費用も確認しておくと安心です。


4.副作用への対応を確認する

万が一、吐き気や嘔吐などの症状が出た場合に相談できる体制があるかも重要です。

オンライン診療の場合は、

  • 医師への相談方法
  • 再診の方法
  • 緊急時の対応

なども事前に確認しましょう。


「安い」「すぐ使える」だけで選ばない

インターネットやSNSでは、ダイエット注射について魅力的な表現が使われていることがあります。

しかし、医薬品は誰にでも同じように使用できるものではありません。

PMDAも、ウゴービについて肥満症治療以外の美容・痩身・ダイエット目的で使用しないよう注意しています。また、ウゴービと他のGLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬を併用しないよう案内しています。(PMDA)

ゼップバウンドについても同様に、他のチルゼパチド製剤やGLP-1関連薬との併用には注意が必要です。(PMDA)


こんな人は特に確認を

医師に相談するときは、

  • 現在治療している病気
  • 服用中の薬
  • 過去の病歴
  • 妊娠・授乳に関する状況
  • これまでの体重管理の方法

などを正確に伝えましょう。

特に糖尿病治療薬などを使用している場合は、自己判断で薬を追加するのではなく、必ず医師や薬剤師に確認することが大切です。


よくある質問

GLP-1とGIP/GLP-1は何が違いますか?

GLP-1受容体作動薬はGLP-1受容体に作用するのに対し、GIP/GLP-1受容体作動薬はGIPとGLP-1の両方の受容体に作用します。

代表例として、ウゴービはセマグルチド、ゼップバウンドはチルゼパチドを使用しています。(PMDA)

どちらを選べばいいですか?

薬剤の作用だけで決めるのではなく、肥満症に該当するか、健康状態、既往歴、併用薬などを踏まえて医師に相談することが重要です。

ダイエット注射は誰でも利用できますか?

いいえ。医薬品ごとに適応症や使用条件があります。特に肥満症治療薬については、一定の基準が設けられています。(PMDA)


まとめ

ダイエット注射と呼ばれる治療には複数の種類があります。

代表的なのは、

  • GLP-1受容体作動薬:ウゴービ
  • GIP/GLP-1受容体作動薬:ゼップバウンド

です。

両者は有効成分や作用する受容体が異なり、費用や使用条件も異なります。

選ぶときは単純に「安い」「効果が高そう」といった情報だけで判断せず、

①薬剤・成分 ②承認されている適応症 ③費用の総額 ④副作用・注意事項 ⑤医師による診察・フォロー体制

を確認することが大切です。

また、ウゴービやゼップバウンドは肥満症を対象とした医療用医薬品であり、自己判断で美容・痩身目的に使用するものではありません。気になる場合は、医療機関で自分の状態に適した治療なのかを相談しましょう。(PMDA)

参考: PMDA・厚生労働省などの公開情報をもとに作成。