肩腱板損傷の治療法・費用・リハビリ完全ガイド|保存療法から手術まで徹底解説

🕒 2026-02-27

肩腱板損傷の治療法を徹底解説。軽症向け保存療法、注射・薬物療法、中等症〜重症の手術(関節鏡・開放手術)、リハビリ・通院スケジュールまで網羅。費用の目安や自己負担額、高額療養費制度も整理し、治療法選択や症状改善のポイントを理解できる実務的ガイドです。

肩腱板損傷とは

肩腱板損傷(Rotator Cuff Tear)は、肩関節を安定させる**腱板(肩の4本の筋腱:棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)**が断裂した状態です。

肩腱板は肩の安定性と腕の挙上・回旋動作を支えるため、損傷すると日常生活やスポーツ動作に支障をきたします。

主な症状

  • 肩の痛み(特に夜間痛が特徴的)
  • 腕を上げにくい、肩に力が入りにくい
  • 肩関節の動かしにくさ
  • 筋力低下、筋萎縮(重症例)

発症原因

  • 加齢による腱の変性(40〜50代以上で多い)
  • 外傷(転倒、スポーツによる強打)
  • 慢性的な肩の使い過ぎ(デスクワーク、重量作業、野球・バレーボールなど)
  • 全身疾患(糖尿病、腎疾患、ホルモン異常)

診断方法

診断は問診・身体所見・画像検査を組み合わせます。

① 問診・理学所見

  • 夜間痛、挙上時の痛み、握力低下の確認
  • ジャクソンテスト、スピードテスト、リフトオフテストなどで腱板機能評価

② 画像検査

  • MRI:腱断裂の範囲・厚み・筋萎縮の評価
  • 超音波:腱断裂・炎症・滑液包水腫の確認
  • X線:骨棘の有無、肩峰下スペースの評価

治療法の選択

肩腱板損傷の治療は症状や断裂の程度、日常生活への影響に応じて決定されます。 治療は大きく以下の3段階です。

① 保存療法(軽症向け)

■ 内容

  • 肩安静、生活動作指導
  • 投薬(NSAIDs、湿布、ビタミンB群)
  • 肩関節リハビリ(可動域訓練・筋力強化)

■ 効果

  • 軽症では痛みの軽減・日常生活改善が期待
  • 腱断裂が小さい場合、手術せず改善可能

■ 保存療法の費用目安

項目自己負担3割
外来診察約1,000〜3,000円/回
薬代約500〜1,500円/回
リハビリ約1,000〜2,000円/回

② 注射療法(ステロイド注射)

手関節内や肩峰下にステロイドを注射し炎症を抑制します。

  • 効果持続:数週間〜数か月
  • 保存療法で効果が不十分な中等症向け
  • 費用:約3,000〜10,000円/回(診察料含む)

注射療法の注意点

  • 長期反復は推奨されず、症状に応じて医師判断
  • 施行部位感染や皮下出血のリスクあり

③ 手術療法(中等症〜重症向け)

保存療法で改善せず、日常生活や職業に支障がある場合は手術が検討されます。

■ 関節鏡下腱板修復術(Arthroscopic Repair)

  • 小切開で内視鏡を使用し断裂腱を縫合
  • 傷が小さく回復が早い
  • 入院期間:3〜7日程度
  • 費用目安:約30,000〜80,000円(3割負担)

■ 開放腱板修復術(Open Repair)

  • 肩前面を切開し腱を直接縫合
  • 大きな断裂や複雑断裂で選択
  • 入院期間:7〜14日程度
  • 費用目安:約40,000〜100,000円(3割負担)

■ 麻酔費用

  • 局所麻酔+鎮静、または全身麻酔
  • 3割負担:約3万〜8万円

手術後のリハビリ

  • 固定期間:手術後2〜6週間(スリングで安静)
  • 可動域訓練:固定解除後に開始
  • 筋力強化:術後6〜12週
  • 完全復帰:日常生活3〜6か月、スポーツ6〜12か月

リハビリ費用目安

  • 外来:約1,000〜2,000円/回
  • 通院頻度:週1〜2回

治療費総額の目安(保険3割負担)

治療法手術費入院費麻酔・検査リハビリ合計目安
関節鏡手術30,000〜80,000円15,000〜50,000円30,000〜80,000円5,000〜15,000円約8万〜20万円
開放手術40,000〜100,000円30,000〜100,000円30,000〜80,000円5,000〜15,000円約10万〜30万円

※差額ベッド代や個室使用料は別途発生 ※高額療養費制度により自己負担軽減可能

保存療法と手術療法の比較

項目保存療法手術療法
適応軽症〜中等症中等症〜重症、保存療法不応
効果痛み軽減・日常生活改善腱板縫合で再断裂リスク減、機能回復
回復期間数週間〜数か月日常生活復帰3〜6か月、完全復帰6〜12か月
費用数千円〜数万円約8万〜30万円(自己負担3割)

日常生活での注意点・再発予防

  • 肩の過負荷を避ける
  • ストレッチ・筋力強化を継続
  • 高齢者や糖尿病患者は再損傷リスクが高い
  • 作業姿勢・スポーツフォームを改善

よくある質問(FAQ)

Q1:手術後、肩は元通りに動かせますか?

→ 回復期間を経て日常生活動作は可能。激しいスポーツや重量物は医師指導が必要。

Q2:再手術の可能性はありますか?

→ 再断裂は稀ですが、腱の質や術後リハビリ状況により発生する場合あり。

Q3:関節鏡手術と開放手術、どちらを選ぶべき?

→ 小さな断裂は関節鏡手術、大きな断裂や複雑断裂は開放手術が適応。

まとめ

肩腱板損傷の治療は、症状の軽重に応じた段階的アプローチとリハビリの継続が改善・再発防止の鍵です。

  • 軽症:保存療法で改善可能
  • 中等症〜重症:手術(関節鏡・開放)で機能回復
  • 費用目安:自己負担3割で約8万〜30万円(入院・麻酔・リハビリ含む)
  • 高額療養費制度や保険で負担軽減可能

医師と相談し、症状・生活状況に合った最適な治療計画を立てることが重要です。