生理前の片頭痛はなぜ起こる?原因と対策を医師が解説

🕒 2025-11-11

「片頭痛(へんずつう)」は、特に女性に多く見られる慢性的な頭痛であり、生理前後に発作が起こる「月経関連片頭痛」は多くの女性が経験しています。本記事では、生理周期と片頭痛の関係、発作を悪化させるホルモン変化、そして医師が推奨する最新の治療・予防法について詳しく解説します。さらに、女性の片頭痛治療を専門的に行う日本国内の医療機関も紹介し、日常生活で実践できるセルフケアのポイントを紹介します。

🩺片頭痛とは何か

片頭痛(へんずつう、英語:Migraine)は、頭の片側または両側にズキズキとした強い痛みを感じる慢性頭痛です。発作時には、光や音に敏感になったり、吐き気を伴ったりすることがあります。

日本では、人口の約8〜10%が片頭痛を経験しており、そのうち約7割が女性といわれています。特に生理の前後に症状が強くなる人が多く、「月経関連片頭痛(げっけいかんれんへんずつう)」と呼ばれています。

🌸生理と片頭痛の深い関係

片頭痛と生理周期には密接な関係があります。女性ホルモンである「エストロゲン(卵胞ホルモン)」が急激に変動することで、神経や血管が刺激され、発作を引き起こすと考えられています。

🔹ホルモンの変化と片頭痛の発作

  • 排卵期:エストロゲンが上昇 → 神経が敏感になりやすい
  • 生理前(黄体期):エストロゲンが急降下 → 片頭痛発作が起こりやすい
  • 生理中:血管の拡張+プロスタグランジン増加 → 痛みが増強

特に、生理の前後2〜3日間に発作が集中するケースが多く、このタイプの頭痛を「月経時片頭痛(menstrual migraine)」と呼びます。

⚠️月経関連片頭痛の主な症状

月経関連片頭痛は、通常の片頭痛と似ていますが、特徴的なタイミングと強さを持っています。

  • 生理開始の2〜3日前から頭痛が始まる
  • 片側または両側のこめかみがズキズキ痛む
  • 光・音・においに過敏になる
  • 吐き気や嘔吐を伴うことがある
  • 痛みが3日ほど続くこともある

また、生理痛と重なり、腰痛・腹痛・倦怠感を伴うことも多いため、QOL(生活の質)が大きく低下する傾向があります。

🔬原因:なぜ生理で片頭痛が起きるのか

● ホルモン変動

生理前のエストロゲン急低下によって、脳の血管が拡張し、神経が過敏化します。

● プロスタグランジンの影響

子宮収縮を引き起こす物質「プロスタグランジン」も頭痛を助長します。

● 鉄分不足・貧血

生理による出血で鉄が失われると、脳への酸素供給が低下し、片頭痛を誘発することがあります。

● 睡眠やストレス

ホルモン変化期に睡眠不足やストレスが重なると、さらに片頭痛を悪化させる要因となります。

🧪片頭痛の診断方法

医師は以下のポイントから「月経関連片頭痛」と診断します。

  • 生理の前後に毎回似た頭痛が起こる
  • 痛みが片側で拍動性(ズキズキ)
  • 光や音に敏感になる
  • 吐き気・嘔吐を伴う
  • 安静にすると軽くなる

必要に応じて、MRIやCT検査で他の脳疾患を除外することもあります。

💊治療法:発作を抑える・予防する

片頭痛治療は「急性期治療」と「予防治療」に分かれます。

● 急性期治療(発作時の対処)

  • トリプタン系薬(スマトリプタンなど):発作を止める薬
  • NSAIDs(ロキソプロフェン、イブプロフェンなど):炎症を抑える
  • 制吐薬:吐き気が強いときに使用 ※生理開始前に服用を始める「予防的トリプタン療法」も有効です。

● 予防治療(発作を減らす)

  • ホルモン補充療法(HRT):ホルモン変動を安定させる
  • β遮断薬(プロプラノロール):神経の過敏化を抑制
  • 抗CGRP抗体製剤:新しい注射タイプの片頭痛治療薬

🌿薬に頼らないセルフケアと生活改善

薬だけでなく、生活習慣の見直しも非常に重要です。

  • 睡眠リズムを一定に保つ
  • カフェイン・アルコールの摂取を控える
  • 食事を抜かない(血糖値変動を防ぐ)
  • ストレス管理(深呼吸・ヨガ・瞑想)
  • 痛みが強いときは暗い部屋で安静にする

また、頭痛日記をつけることで、発作のタイミングや原因を把握しやすくなります。

💆‍♀️女性ホルモンのバランスを整える生活習慣

  • 大豆イソフラボンを含む食品(豆腐・納豆・味噌)を積極的に摂る
  • 規則正しい睡眠と軽い運動(ウォーキング・ストレッチ)
  • 過度なダイエットを避け、バランスの良い食事を心がける

これらはホルモンの乱れを緩和し、片頭痛の予防にも役立ちます。

🏥月経関連片頭痛に対応できる医療機関(例)

以下は、女性の片頭痛治療に力を入れている医療機関です(※優良機関は他にも多数あります)。

  1. 聖路加国際病院 神経内科(東京都中央区) URL: https://hospital.luke.ac.jp/
  2. 東京女子医科大学 女性センター URL: https://www.twmu.ac.jp/
  3. 大阪大学医学部附属病院 神経内科 URL: https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/

これらの医療機関では、女性ホルモンの変動を考慮した専門的な片頭痛治療が行われています。

💬片頭痛と生理痛のダブルパンチへの対策

生理中は、子宮収縮による下腹部痛(生理痛)と頭痛が重なる「ダブルパンチ」状態になりやすいです。 この場合、鎮痛薬の併用や**温熱療法(腹部・腰部を温める)**が効果的です。

また、低用量ピルの使用によりホルモンの変動を緩やかにすることで、月経関連片頭痛の発作を軽減できるケースもあります。

💡まとめ:片頭痛は我慢するものではない

生理とともに起こる片頭痛は、ホルモンや生活習慣の影響を受けやすい疾患ですが、 正しい知識と治療・ケアによって発作の頻度や強さを抑えることが可能です。

「毎月の頭痛は仕方ない」と諦めず、 信頼できる専門医に相談し、自分の身体に合った治療法を見つけましょう。