結婚式は人生に一度の大切な節目です。大切な人たちに感謝を伝え、これからの人生の出発点を祝う時間は、何物にも代えがたい思い出となります。しかし実際の準備となると、決めるべきことが山ほどあり、スケジュールや費用の管理に悩むカップルも少なくありません。式場、衣装、招待状、料理や演出など、準備のひとつひとつには費用が関わってきます。効率よく、そして無理のない計画を立てるためには、スケジュールと予算の両方をしっかり管理することが大切です。

結婚式準備はいつから始める？

結婚式準備は1年前から始めるのが理想とされています。特に春や秋など人気シーズンは予約が集中し、遅れると希望日に空きがなくなる可能性があります。

• 12か月前〜：式場探し、結婚式スタイル決定、全体予算の目安設定
• 9か月前〜：衣装選び、ゲストリスト作成、見積もり比較
• 6か月前〜：招待状の準備、引き出物検討、料理試食
• 3か月前〜：演出・映像・写真撮影の予約、費用の調整
• 1か月前〜：最終打ち合わせ、席次表完成、支払い準備
• 1週間前〜当日：持ち物確認、体調管理、美容最終仕上げ

費用面でも、この段階ごとに「いつ、どれくらいのお金が必要か」を把握しておくことが、後々の安心につながります。

1年前〜9か月前：結婚式の基盤を整える

式場探しと日取りの決定

式場費用は結婚式費用全体の約30〜40%を占めると言われています。ホテルは高級感があり一流サービスを受けられる分費用が高め、レストランはアットホームで比較的リーズナブル、ゲストハウスは自由度が高い分追加費用が発生しやすいなど、それぞれ特徴があります。見積もりは必ず複数の会場で比較しましょう。

結婚式のテーマ決め

テーマを設定すると、装飾や演出の方向性がまとまり、無駄な出費を抑えることができます。たとえば「シンプル＆ナチュラル」をテーマにすると、装花や演出を過度に豪華にする必要がなく、費用の調整にもつながります。

9か月前〜6か月前：具体的な準備の始まり

衣装選び

新婦のドレスはレンタルで20〜40万円、購入で50万円以上かかる場合もあります。和装はさらに高額で、打掛はレンタルでも30〜50万円が相場です。小物代（ベールや靴、アクセサリー）も忘れずに計算しましょう。新郎のタキシードはレンタルで5〜15万円程度。プランによってはパッケージ価格に含まれている場合もあるため確認が必要です。

ゲストリストの作成

招待人数は費用に直結します。ゲスト1人あたりの料理・ドリンクで約2〜3万円、引き出物で約5,000円程度がかかるため、人数を増やすほど総額は大きく膨らみます。人数調整は早めに行い、予算とのバランスを見ながら決めましょう。

6か月前〜3か月前：ゲスト対応と演出の準備

招待状の準備

招待状は1部あたり500〜800円程度。宛名書きや切手代を含めると意外に出費がかさみます。最近はメールやWeb招待状を利用するカップルも増えており、費用削減だけでなく出欠管理もスムーズに行えるメリットがあります。

引き出物と料理

引き出物は1世帯あたり3,000〜5,000円が目安です。高額にすると予算を圧迫しますが、安すぎると失礼にあたるためバランスが大切です。料理はゲスト満足度の最大要素であり、1人あたり15,000〜20,000円が一般的。アレルギー対応や子供用メニューは追加費用が発生する場合があります。

演出やプログラム

映像演出は10〜20万円、プロ司会者は5〜10万円程度が相場。バルーンリリースやキャンドルサービスなども1つ数万円単位で追加費用がかかります。こだわりすぎると費用が膨らむため、「ここだけはこだわる」というポイントを決めてメリハリをつけるのが賢い方法です。

3か月前〜1か月前：最終調整の時期

写真・ビデオ撮影

アルバム制作やムービー撮影は20〜40万円程度。SNSで人気のシネマティックムービーは高額になる傾向があります。前撮りを希望する場合、衣装代やロケーション費用も加わるため、トータルで50万円を超えるケースもあります。

席次表の作成

席次表・メニュー表はセットで1人あたり800〜1,200円。印刷会社に依頼する場合は追加修正の費用も発生します。最近は自作テンプレートやオンライン注文を活用してコスト削減を図るカップルも増えています。

1か月前〜当日直前：仕上げと心構え

美容と体調管理

花嫁のブライダルエステは3か月コースで5〜10万円。シェービングやネイル、ヘアメイクリハーサルを含めるとさらに費用がかかります。花婿も身だしなみを整えるためのヘアカットやシェービング代を考慮しましょう。

支払い準備

結婚式費用の支払いは挙式前日または当日に全額精算が求められるのが一般的です。総額は平均300〜400万円。費用の一部を親から援助してもらう場合、早めに相談して分担を明確にしておくとトラブルを避けられます。

結婚式費用の平均と節約術

• 全国平均費用：約350万円
• ゲストからのご祝儀総額：約200〜250万円 → 実質的な自己負担額は100〜150万円程度が目安

節約術の例

• ドレスは新作よりも型落ちデザインを選ぶ
• ペーパーアイテムは自作またはオンライン注文
• 引き出物は宅配サービスで送料込みプランを活用
• 演出は手作りムービーや写真スライドで工夫

節約しつつも「料理」「写真」などゲストの印象に残る部分には予算を優先して配分することが大切です。

チェックリストの活用

多岐にわたる準備は、エクセルや専用アプリを使って管理しましょう。スケジュールと予算を同時に確認できる形式にしておくと、「どこにどれだけお金を使ったか」が一目で分かり、支払いトラブルを防げます。

まとめ

結婚式準備は「スケジュール管理」と「費用管理」の両立が成功のカギです。1年前から逆算して進めることで余裕を持って準備でき、無理なく理想の式を実現できます。平均費用は300〜400万円と大きな金額になりますが、ゲストからのご祝儀を見込んだ自己負担額を意識し、優先順位をつけて賢く節約することが重要です。きちんと計画を立てれば、当日は安心して笑顔でゲストを迎えることができるでしょう。