結婚式の準備は、人生の中でも特に大きなイベントのひとつです。新郎新婦にとっては一生の思い出となり、両家にとっても大切な節目です。しかし、結婚式の準備には非常に多くのステップがあり、会場選びから衣装合わせ、招待状の送付、当日の進行表の作成に至るまで膨大なタスクが存在します。そのため、気を付けていても「うっかり忘れてしまった！」ということが珍しくありません。

本記事では、結婚式準備で見落とされがちな項目を徹底的に洗い出し、後悔のない1日を迎えるための実践的なチェックポイントを解説します。実際の体験談や、現場で働くプランナーの声も踏まえながら、当日安心して楽しむためのヒントをお届けします。

1. 契約内容と支払いスケジュールの最終確認

多くのカップルが意外と見落としがちなのが「契約書の細部確認」です。結婚式場やドレスショップ、写真会社などとの契約は複数に渡り、金額も高額です。そのため、後で「聞いていなかった」「そんな条件とは知らなかった」と後悔しないよう、必ず以下の項目を事前に確認しましょう。

• キャンセル規定：病気や家庭の事情、災害などでやむを得ず延期・中止をする場合の条件を把握。特に式の直前キャンセル料は高額になるケースが多いです。
• 支払いスケジュール：契約金・中間金・残金の支払い期限を把握し、余裕を持って資金を準備しておくこと。銀行振込かクレジットカードか、支払い方法の確認も大切です。
• 追加料金の発生条件：披露宴が予定時間を超えた場合の延長料金、持ち込み料、当日ゲストが増えた場合の料理追加費用などをチェック。
• 自然災害や緊急事態時の対応：台風や地震などで挙式が不可能となった場合、どのように対応されるか事前に確認しておくと安心です。

実際に「キャンセル規定を見ていなかったため、体調不良で延期したのに高額なキャンセル料を請求された」というケースもあります。契約時にはプランナーに遠慮なく質問し、納得がいくまで確認することが重要です。

2. ゲスト関連で忘れがちな配慮

結婚式は新郎新婦のためであると同時に、ゲストをおもてなしする場でもあります。どんなに美しい演出を準備しても、ゲストへの配慮が不足していると「大変だった」「疲れた」という印象を持たれてしまうことも。そこで忘れがちなポイントを整理しました。

• 交通手段とアクセス：遠方から来るゲストには送迎バスやタクシーチケットを用意すると安心です。地方や郊外の会場では特に配慮が必要。
• 宿泊の手配：ホテルを提携料金で紹介したり、会場近くの宿泊情報をまとめて案内状に記載すると親切です。
• アレルギーや食事制限への対応：事前アンケートや招待状の返信で必ず確認しましょう。ベジタリアンや宗教上の制限があるゲストへの対応は信頼につながります。
• 子ども連れゲストへの配慮：キッズメニュー、ベビーチェア、授乳室、オムツ替えスペースの案内は喜ばれます。託児サービスを利用できる会場もあるので確認を。
• 高齢者や体の不自由な方への導線確保：バリアフリーかどうか、座席の位置、エレベーターや車椅子の有無も大切です。

「新婦の祖母が足が悪いのに、披露宴会場までの導線に階段しかなく、結局車椅子を急遽用意した」というエピソードもあります。こうした細やかな配慮が、ゲストの満足度を大きく左右するのです。

3. 写真・映像での「必撮リスト」を作る

結婚式の1日は本当にあっという間に過ぎます。気づいたら「親戚全員との集合写真を撮り忘れた！」という後悔をするカップルも少なくありません。そのため、必ず撮影したいカットをリスト化し、事前にカメラマンに伝えておくことが大切です。

例として、以下のシーンがよく指定されます：

• 新郎新婦と両家家族の集合写真
• 指輪交換、誓いのキスなどセレモニーのハイライト
• 両親への手紙朗読や花束贈呈シーン
• ゲストのテーブルごとの記念写真
• お色直し入場やケーキ入刀

「結婚式の後に写真を見返したとき、友人との集合写真が一枚もなかった」という失敗談は意外と多いです。時間が限られるからこそ、優先順位をつけて依頼することが必要です。

4. タイムラインの“余白”を作る

披露宴の進行をぎっしり詰め込みすぎると、ひとつのトラブルが全体に響きます。ヘアメイクの遅れやゲストの移動時間、写真撮影などで想定以上に時間がかかることも珍しくありません。

そのため、進行表には必ず「余白」を入れるのが鉄則です。目安は各セクションに5〜10分のバッファ。特に移動や衣装替えの場面は余裕を多めに設定しておきましょう。

また、当日の進行役である司会者やプランナーと事前にシミュレーションを行い、余裕のあるスケジュールを確認することも重要です。

5. 小物・備品の最終準備リスト

式当日、「あれを忘れた！」と慌てるケースは珍しくありません。特に女性に多いのが、ドレスに合うストッキングやアクセサリーを忘れること。準備リストを作成し、担当者を決めておくことがトラブル防止につながります。

例としては：

• 予備の靴、ストッキング、安全ピン、裁縫セット
• タオル、ウェットティッシュ、ハンカチ
• 受付で使う筆記用具、名簿、芳名帳
• 披露宴のプチギフト（数を確認！）
• 化粧直し用のコスメセット

ちょっとしたアイテムが式の快適さを左右します。

6. 連絡手段と緊急連絡先の共有

当日は想定外のハプニングが起きやすいもの。機材トラブル、ゲストの急な欠席、衣装のほつれなど…。そのため、関係者の連絡先リストをまとめておき、新郎新婦・両親・幹事に配布しておきましょう。

• プランナー
• 司会者
• ヘアメイク担当
• カメラマン
• 会場責任者

スマホの電波が入りにくい会場もあるため、集合場所を決めておくとさらに安心です。

7. 演出・BGM・権利確認

結婚式で使用する音楽や映像には著作権が絡むことがあります。YouTubeやストリーミングから音源を使用すると問題になるケースも。

事前に会場側がJASRAC等に利用料を支払っているか確認し、必要なら自分たちで申請することも検討しましょう。

また、外部業者を招くサプライズ演出は、搬入・撤収の時間やスペース確保も確認必須です。

8. 衣装とフィッティングの最終チェック

ドレスやタキシードは、見た目だけでなく「動きやすさ」も大事です。試着では歩く・座る・階段を上がるなど実際の動きをシミュレーションしてください。

特に女性はドレス着用時にトイレに行きづらいことが多いため、事前に確認しておくと安心です。また靴擦れ防止のインソールや透明ストラップなど、実用的な工夫もおすすめです。

9. 天候や屋外トラブルへの代替案

ガーデンウエディングや屋外撮影を予定している場合、雨天時のプランを必ず用意しておきましょう。

• 屋根付き会場の確保
• テントやカサの手配
• 音響や照明の防水対策

「当日が大雨で屋外挙式ができず、急遽室内に移動したが準備が間に合わなかった」という失敗談もあります。

10. 予算の「余裕」を確保

結婚式では予想外の出費がつきものです。料理の人数変更、追加の装飾、機材トラブル…。こうした臨時費用に備えて総予算の5〜10%を予備費として確保しておくと安心です。

「ギリギリの予算で組んだ結果、当日の追加料金に慌ててしまった」という声は非常に多いものです。

まとめ：結婚式準備は「小さな配慮」が成功の鍵

結婚式準備で忘れがちなポイントを挙げてきましたが、共通するのは「小さな配慮」が大きな安心につながるということです。契約やお金のこと、ゲストへの心配り、写真や時間配分、備品準備…。

一見細かいことですが、これらを事前にしっかり確認することで「もっと準備すればよかった」という後悔を防ぎ、当日を心から楽しむことができます。

準備に追われて大変だと感じるかもしれませんが、一つひとつチェックしていけば必ず理想の結婚式に近づきます。