子どもの花粉症の症状の特徴

子どもの花粉症は、成人と同様に鼻や目の症状が中心ですが、特徴的なのは症状の訴え方が大人ほど明確でないことです。鼻づまりによる口呼吸、夜間のいびき、集中力の低下、肌荒れなど、間接的なサインも見逃せません。特に学齢期前の子どもは、「鼻がかゆい」「目がしみる」といった表現が難しいため、保護者が日常の変化に敏感であることが大切です。

感冒との違いとよくある誤解

花粉症と感冒は症状が似ているため、誤認されやすいです。感冒は発熱や倦怠感を伴い、症状は数日で改善するのに対し、花粉症は特定の季節に繰り返し症状が出て、発熱はほとんどありません。また、鼻水の性状も異なり、感冒では粘りのある黄〜緑色、花粉症では透明でさらっとしています。この違いを理解することで、不要な抗生物質投与を避けられます。

子どもに使える薬と安全な使用の目安

市販の抗ヒスタミン薬や点鼻薬の中には、年齢制限や用量の注意があるものがあります。特に6歳未満では成分選びが重要です。服用量は体重や年齢に応じて決められ、過剰投与は眠気や消化器症状を引き起こす可能性があります。医師の診断を受けたうえで、処方薬や市販薬を正しく使い、症状の経過を観察しましょう。点鼻薬は即効性がありますが、長期連用は避け、必要な時期に限って使用するのが望ましいです。

家庭でできるケアと生活習慣の工夫

家庭での花粉症対策は、花粉との接触を減らすことが基本です。外出時はマスクと花粉カット機能のあるメガネを活用し、帰宅後は衣服や髪に付着した花粉を払い落とします。室内はこまめな掃除と換気を心がけますが、花粉の多い時間帯（午前中〜昼過ぎ）は窓を閉めておく方が安心です。また、就寝前の鼻洗浄や入浴は、症状緩和にも効果的です。

幼稚園・学校での花粉症対策

園や学校では、花粉の多い日は屋外活動を短時間にする、教室の窓を必要時のみ開閉するなどの工夫が必要です。教師や保育士に子どもの症状を共有し、薬の服用時間や注意点を理解してもらうことも大切です。給食時には鼻づまりによる咀嚼のしにくさが出ることもあり、食事速度や姿勢に配慮してもらうと安心です。

長期的な視点での管理

花粉症は一度発症すると長期化しやすく、成長とともに症状が変化します。毎年の飛散時期に備えて、症状が軽いうちから予防的に対応することがポイントです。家族で共通の対策ルールを作り、子ども自身が症状を管理できるようサポートすることが、将来的な症状コントロールにつながります。